真空蒸着の検査について

真空蒸着の検査とは

一般的な製造業と同様に、蒸着した製品に「キズ」などのチェックや分光器を使用して検査をしています。

真空蒸着の検査の種類

受入検査

蒸着をするための基板が入荷した時などに、始めからキズや凹みなどの不良が無いかチェックします。基板の大きさにより、肉眼か顕微鏡などを使用して検査をします。キズがある場合はキズの長さなどが規定よりも大きいか測定し、検査しています。

外観検査

外観検査は受入検査と同様にキズなどがないかチェックします。受入は、入荷した物に対して実施しますが、外観検査は蒸着したコートのキズ、ヌケなど品質を確認します。明るいところではコートのヌケなどは見えないため、暗室と呼ばれる暗い部屋にて作業をしています。

分光測定

分光測定は分光器と呼ばれる測定器を用いて、反射率や透過率を測定する事ができます。蒸着製品によって規格が異なり、波長域や入射角なども異なっています。

真空蒸着 工程内の検査手順

真空蒸着工程内の検査を行う際の流れです。

  1. 受入検査をします。この時に入荷の個数も確認します
  2. 真空蒸着や接合の工程を行い、付加価値をつけます
  3. 分光測定を行います。反射率または透過率が規格内に入っているか確認します
  4. 外観検査を行います。顕微鏡などを使用してキズやヌケなどの品質確認をします
  5. 品質内容を検査成績書にまとめ、納品と一緒に提出します

ちくま精機の真空蒸着

ちくま精機の真空蒸着は、UV領域~IR領域や反射膜、反射防止膜まで様々な膜をご提供しております。

紫外線(UV)

紫外線(UV)とは人が目で見える光よりも短い波長の光です。紫外線は波長によって、UV-A、UV-B、UV-Cに分ける事ができます。ちくま精機では主にUV-Aのコートを蒸着作成しています。

赤外線(IR)

赤外線(IR)とは人が目で見える光よりも長い波長の光です。赤外線は波長によって、近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分かれます。ちくま精機では近赤外線、特に通信波長帯と呼ばれる光通信に使用される波長のコートを蒸着作成しています。

反射膜

主に金属の材料を使用し、反射率を上げる蒸着膜です。日常生活で使用される可視領域を反射させる鏡はもちろん、赤外線(IR)を反射させることも可能です。

反射防止膜

主に酸化物を使用し、反射を防止する蒸着膜です。日常生活で使用されるメガネなどがあります。メガネは可視領域の反射を防止していますが、紫外線(UV)や赤外線(IR)領域の反射を防止する膜も作成できます。

まとめ

真空蒸着の検査は品質にとってとても大切な物になります。ちくま精機は各種検査を実施しております。ちくま精機の真空蒸着についての詳細は真空蒸着の設計・試作・量産ページをご覧ください。真空蒸着の概要については 真空蒸着とは のページをご覧ください。

真空蒸着のお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください

分光の規格やキズの規格など、お客様と相談しながら規格のご提案をさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。

 

この記事を書いた人

召田(真空蒸着)

ちくま精機 真空蒸着。膜についてのお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。具体的な内容でなくても「膜のプロ」の視点から問題解決にアプローチいたします。

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